○国立大学法人茨城大学における研究活動上の不正行為に係る調査等の実施に関する取扱細則
(平成27年9月18日細則第23号)
改正
令和元年7月2日規則第8号
令和3年8月11日細則第16号
令和6年2月22日細則第19号
(目的)
第1条
この細則は、国立大学法人茨城大学における研究活動上の不正行為等への対応に関する規程(平成27年規程第30号。以下「規程」という。)第27条第2項の規定に基づき、国立大学法人茨城大学(以下「本学」という。)における研究活動上の不正行為(以下「不正行為」という。)に係る調査等の実施に関し必要な事項を定めることを目的とする。
(調査委員会の組織等)
第2条
不正行為に係る調査委員会(以下「不正行為調査委員会」という。)は、次に掲げる委員をもって組織する。
(1)
統括管理責任者
(2)
委員長が指名した有識者 3人
(3)
法律の知識を有する外部有識者 1人
2
前項に掲げる委員は、通報者及び調査対象者と直接の利害関係を有しない者でなければならない。
この場合において、統括管理責任者が通報者及び調査対象者と直接の利害関係を有するときは、同項第1号の委員は、研究不正防止委員会の委員のうち学長が指名する者をもって充てる。
3
第1項の委員の半数以上は、本学に属さない外部有識者でなければならない。
4
委員会に委員長を置き、第1項第1号の委員をもって充てる。
5
委員長は、不正行為調査委員会の業務を統括する。
6
副委員長は、委員長の指名によって委員のうちから任命する。
7
副委員長は、委員長を補佐し、委員長が欠けたとき又は委員長に事故があるときは、その職務を代行する。
(委員の任期)
第3条
前条第1項各号の委員の任期は、不正行為等の調査・認定が終了するまでとする。
2
欠員により補充された委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(調査の通知)
第4条
学長は、不正行為調査委員会を設置したとき又は前条第2項の規定により委員を交代したときは、不正行為調査委員会委員の氏名及び所属を通報者及び調査対象者に通知する。
2
前項の通知を受けた通報者又は調査対象者は、当該通知を受けた日から起算して7日以内に、書面により、学長に対して不正行為調査委員会委員に関する異議を申し立てることができる。
3
学長は、前項の異議申立てがあった場合は、当該異議申立ての内容を審査し、その内容が妥当であると判断したときは、当該異議申立てに係る不正行為調査委員会委員を交代させるとともに、その旨を通報者及び調査対象者に通知する。
(調査の実施)
第5条
不正行為調査委員会は、規程第26条第1項による調査の実施の決定があった日から起算して30日以内に調査を開始するものとする。
2
学長は、通報者及び調査対象者に対し、直ちに、調査を行うことを通知し、調査への協力を求めるものとする。
ただし、調査対象者が本学以外の機関に所属している場合は、当該所属機関にも通知する。
3
学長は、通報等事案に係る調査に当たっては、通報者が了承したときを除き、調査関係者以外の者や調査対象者に通報者が特定されないよう周到に配慮しなければならない。
4
不正行為調査委員会は、通報において指摘された当該研究に係る論文、実験・観察ノート、生デ-タその他資料の精査及び関係者のヒアリング等の方法により、調査を行うものとする。
5
不正行為調査委員会は、調査対象者による弁明の機会を設けなければならない。
6
不正行為調査委員会は、調査対象者に対し、再実験等の方法によって再現性を示すことを求めることができる。
また、調査対象者から再実験等の申し出があり、不正行為調査委員会がその必要性を認める場合は、それに要する期間及び機会並びに機器の使用等を保障するものとする。
7
前項の再実験等は、不正行為調査委員会の指導及び監督の下に実施されなければならない。
8
通報者、調査対象者及びその他当該通報に係る事案に関係する者は、調査が円滑に実施できるよう積極的に協力し、真実を忠実に述べるなど、不正行為調査委員会の調査に誠実に協力しなければならない。
(調査の対象)
第6条
調査の対象は、通報等事案に係る研究活動の他、不正行為調査委員会の判断により、調査に関連した調査対象者の他の研究を含めることができる。
(証拠の保全)
第7条
不正行為調査委員会は、調査を実施するに当たって、通報等事案に係る研究活動に関して、証拠となる資料及びその他関係書類を保全する措置をとるものとする。
2
不正行為調査委員会は、通報等事案に係る研究活動が行われた研究機関が本学でないときは、通報等事案に係る研究活動に関して、証拠となる資料及びその他関係書類を保全する措置をとるよう、当該研究機関に依頼するものとする。
3
不正行為調査委員会は、前2項の措置に必要な場合を除き、調査対象者の研究活動を制限してはならない。
(調査における研究又は技術上の情報の保護)
第8条
不正行為調査委員会は、調査に当たっては、調査対象における公表前のデ-夕、論文等の研究又は技術上秘密とすべき情報が、調査の遂行上必要な範囲外に漏洩することのないよう、十分配慮するものとする。
(不正行為の疑惑への説明責任)
第9条
不正行為調査委員会の調査において、調査対象者が通報等事案に係る研究活動に関する疑惑を晴らそうとする場合には、自己の責任において、当該研究活動が科学的に適正な方法及び手続きに則って行われたこと、並びに論文等もそれに基づいて適切な表現で書かれたものであることを、科学的根拠を示して説明しなければならない。
2
前項の場合において、再実験等を必要とするときは、第5条第6項の定める保障を与えなければならない。
(認定の手続)
第10条
不正行為調査委員会は、規程第27条第4項に定める期間内に調査した内容をまとめ、不正行為が行われたか否か、不正行為と認定された場合はその内容及び悪質性、不正行為に関与した者とその関与の度合、不正行為と認定された研究に係る論文等の各著者の当該論文等及び当該研究における役割、その他必要な事項を認定する。
2
前項に掲げる期間内に認定を行うことができない合理的な理由がある場合は、その理由及び認定の予定日を付して学長に申し出て、その承認を得るものとする。
3
不正行為調査委員会は、不正行為が行われなかったと認定される場合において、調査を通じて通報が悪意に基づくものであると判断したときは、併せて、その旨の認定を行うものとする。
4
前項の認定を行うに当たっては、通報者に弁明の機会を与えなければならない。
5
不正行為調査委員会は、第1項及び第3項に定める認定を終了したときは、直ちに学長に報告しなければならない。
(認定の方法)
第11条
不正行為調査委員会は、調査対象者から説明を受けるとともに、調査によって得られた、物的・科学的証拠、証言、調査対象者の自認等の諸証拠を総合的に判断して、不正行為か否かの認定を行うものとする。
2
不正行為調査委員会は、調査対象者による自認を唯一の証拠として不正行為を認定することはできない。
3
不正行為調査委員会は、調査対象者の説明及びその他の証拠によって、不正行為であるとの疑いを覆すことができないときは、不正行為と認定することができる。
保存義務期間の範囲に属する生データや実験・観察ノート、実験試料・試薬及び関係書類等の不存在等、本来存在するべき基本的な要素の不足により、調査対象者が不正行為であるとの疑いを覆すに足る証拠を示せないときも、同様とする。
4
不正行為調査委員会は、調査対象者が善良な管理者の注意義務を履行していたにもかかわらず、その責めによらない事由により、前項後段に規定する生データや実験・観察ノート、実験試料・試薬及び関係書類等の本来存在するべき基本的な要素の不足が生じたものと認められるときは、当該基本的要素が不足することをもって、直ちに不正行為と認定することはできない。
また、当該基本的要素の不足理由が、保存義務期間を超えることによるものである場合も同様とする。
(調査結果の通知及び報告)
第12条
学長は、速やかに、第10条第5項の規定に基づき報告された調査結果を通報者、調査対象者、調査対象者以外で不正行為に関与したと認定された者及び調査対象者の所属部局長に通知するものとする。調査対象者が本学以外の機関に所属している場合は、当該所属機関にも調査結果を通知するものとする。
2
学長は、前項の通知に加えて、調査結果を関係機関に報告するものとする。
3
学長は、悪意に基づく通報との認定があった場合、通報者が本学以外の機関に所属しているときは、当該所属機関にも通知するものとする。
(再調査)
第13条
不正行為調査委員会は、規程第30条第4項に規定する再調査の実施を決定したときは、不服申立人に対し、先の調査結果を覆すに足るものと不服申立人が思料する資料の提出を求め、その他当該事案の速やかな解決に向けて、再調査に協力することを求めるものとする。
2
不正行為調査委員会は、前項に定める不服申立人からの協力が得られない場合には、再調査を行うことなく手続きを打ち切ることができる。その場合には、不正行為調査委員会は、直ちに学長に報告する。報告を受けた学長は、不服申立人に対し、その決定を通知するものとする。
3
不正行為調査委員会は、再調査を開始した場合には、再調査を実施することを決定した日から50日以内に、先の調査結果を覆すか否かを決定し、その結果を学長に報告するものとする。
ただし、50日以内に調査結果を覆すか否かの決定ができない合理的な理由がある場合は、その理由及び決定予定日を付して学長に申し出て、その承認を得るものとする。
4
学長は、前2項の報告に基づき、速やかに、再調査の結果等を通報者、調査対象者、調査対象者以外で不正行為に関与したと認定された者及び調査対象者の所属部局長等に通知するものとする。
調査対象者が本学以外の機関に所属している場合は、その所属機関にも通知するものとする。
5
学長は、前項の通知に加えて、再調査結果等を関係機関に報告するものとする。
(調査の中間報告)
第14条
学長は、調査の終了前であっても、通報等事案に係る研究活動の予算の配分又は措置をした資金配分機関等の求めに応じ、調査の中間報告を当該配分機関等に提出するものとする。
2
不正行為調査委員会は、学長から前項の求めがあったときは、中間報告書を取りまとめ、学長に提出しなければならない。
(庶務)
第15条
不正行為調査委員会に関する事務は、関係部局の協力を得て、研究・社会連携部研究推進課において処理する。
(雑則)
第16条
この細則に定めるもののほか、不正行為に係る調査等の実施に関し必要な事項は、別に定める。
附 則
この細則は、平成27年9月18日から施行し、平成27年4月1日から適用する。
附 則(令和元年7月2日規則第8号)
この規則は、令和元年7月2日から施行し、平成31年4月1日から適用する。
附 則(令和3年8月11日細則第16号)
この細則は、令和3年8月11日から施行する。
附 則(令和6年2月22日細則第19号)
この細則は、令和6年2月22日から施行する。