○国立大学法人茨城大学役務請負契約基準
(平成21年4月20日基準第13号)
改正
平成25年3月5日基準第4号
平成27年5月27日基準第6号
この基準は、国立大学法人茨城大学契約事務取扱規程(平成27年規程第52号)第2条第2項の規定に基づき、国立大学法人茨城大学における役務に関する請負契約の一般的約定事項を定めるものである。
第1 総則
1
発注者及び受注者は、契約書及びこの契約基準に基づき、仕様書(図面を含む。以下同じ。)に従い、日本国の法令を遵守し、この契約(契約書及びこの契約基準並びに仕様書を内容とする役務の請負をいう。以下同じ。)を履行しなければならない。
2
受注者は、契約書記載の役務を契約書記載の完了期限に完了するものとし、発注者は、その請負代金を支払うものとする。
3
役務の実施方法等役務を完了するために必要な一切の手段(以下「役務実施方法等」という。)については、契約書及びこの契約基準並びに仕様書に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。
4
発注者及び受注者は、この契約の履行に当たり知り得た相手方の秘密を第三者に漏洩し、又は他の目的に利用してはならない。
5
受注者は、役務に関する法令を遵守するとともに、役務に従事する従業員(以下「従業員」という。)を直接指揮監督し、事業主として関係する法令に規定されたすべての義務を負うものとする。
6
受注者は、従業員の風紀、衛生及び規律の維持に関してすべての責任を負うものとする。
7
契約書及びこの契約基準に定める請求、通知、報告、申出、承諾及び解除は、書面により行わなければならない。
8
この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる言語は、日本語とする。
9
契約書及びこの契約基準に定める金銭の支払に用いる通貨は、日本円とする。
10
この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる計量単位は、仕様書に特別の定めがある場合を除き、計量法(平成4年法律第51号)に定めるものとする。
11
契約書及びこの契約基準並びに仕様書における期間の定めについては、民法(明治29年法律第89号)及び商法(明治32年法律第48号)の定めるところによるものとする。
12
この契約は、日本国の法令に準拠するものとする。
13
この契約に係る訴訟については、日本国の裁判所をもって合意による専属的管轄裁判所において行うものとする。
第2 役務の実施に必要な施設等
1
発注者は、役務の実施に関連し必要な施設等がある場合は、仕様書に定め、受注者に提供するものとする。
この場合においては、受注者は、その使用について発注者の定めを遵守するものとする。
2
受注者の役務の実施に直接必要な光熱水料の負担については、仕様書に定めるところによる。
第3 役務実施上の調整
発注者は、受注者の実施する役務が発注者の発注に係る第三者の実施する役務(第三者の施工する工事を含む。以下同じ。)と実施上密接に関連する場合において、必要があるときは、その実施につき工程等の調整を行うものとする。
この場合においては、受注者は、発注者の調整に従い、第三者の実施する役務の円滑な実施に協力しなければならない。
第4 請負費内訳書及び工程表の提出
1
受注者は、この契約締結後速やかに請負費内訳書及び工程表を仕様書に基づいて作成し、発注者に提出しなければならない。
ただし、発注者が、受注者に当該内訳書又は工程表の提出を必要としない旨仕様書に定めた場合は、この限りでない。
2
内訳書は、発注者及び受注者を拘束するものではない。
第5 個人情報の保護
1
受注者は、第1第1項による契約期間中又は契約終了後においても、この契約に基づいて遂行される役務に関連して知り得た発注者の保有する個人情報(以下「職員等の情報」という。)を第三者に漏えいし、又は使用してはならない。
2
受注者は、前項の義務に関し、この契約に基づいて役務の遂行に当たる従事者(受注者が法人の場合にあってはその使用人)においても遵守させるものとする。
3
受注者は、職員等の情報について、複写又は複製(安全管理上必要なバックアップを目的とするもの等この契約に関する範囲内のものを除く。)をしてはならない。
4
受注者は、事前に発注者の承諾がある場合を除き、職員等の情報に関し加工(この契約に関する範囲内のものを除く。)又は改ざんを行ってはならない。
5
受注者は、職員等の情報に関し、漏えい等の事故が発生し若しくはその可能性があると認められるときは、直ちに発注者に報告し、発注者と協力して被害の拡大防止、損害の回復、再発の防止その他必要な対応をしなければならない。
6
受注者は、この契約が終了し、又はこの契約に係る役務が終了したときは速やかに職員等の情報が記録された全ての媒体を発注者に返還し、又は発注者の指示に従い破棄、消去しなければならない。
7
受注者あるいはこの契約に基づいて役務の遂行に当たる従事者(受注者が法人の場合にあってはその使用人)が前各号に違反した場合は、受注者は発注者に対して、発注者が受けた損害額の賠償金として請負代金額の10分の1に相当する額を発注者の指定する期間内に支払わなければならない。
ただし、発注者は、受注者に対し、現実に生じた損害額が請負代金額の10分の1に相当する額を超えることを証明したときは、その超過額を請求することができる。
第6 権利義務の譲渡等
1
受注者は、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。
ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
2
受注者は、請負の目的物及び第28第3項の規定による部分払のための確認を受けたものを第三者に譲渡し、貸与し、又は質権その他の担保の目的に供してはならない。
ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
第7 著作権の譲渡等
1
受注者は、契約の履行の目的物が著作権法(昭和45年法律第48号)第2条第1項第1号に規定する著作物(以下本条において「著作物」という。)に該当する場合には、当該著作物に係る受注者の著作権(著作権法第21条から第28条までに規定する権利をいう。)を当該著作物の納入時に発注者に譲渡するものとする。
ただし、受注者がこの契約の締結前から権利を有している著作物の著作権は、受注者に留保するものとし、この著作物を改変、翻訳又は翻訳することにより作成された著作物の著作権は、当該著作権の引渡時に受注者が当該権利の一部を発注者に無償で譲渡することにより、発注者と受注者とがの共有とするものとする。
2
発注者は、契約の履行の目的物が著作物に該当するとしないとにかかわらず、当該契約の履行の目的物の内容を受注者の承諾なく自由に公表することができ、また、当該契約の履行の目的物が著作物に該当する場合には、受注者が承諾したときに限り、既に受注者が当該著作物に表示した氏名を変更することができる。
3
受注者は、契約の履行の目的物が著作物に該当する場合において、発注者が当該著作物の利用目的の実現のためにその内容を改変しようとするときは、その改変に同意するものとする。
また、発注者は、契約の履行の目的物が著作物に該当しない場合には、当該契約の履行の目的物の内容を受注者の承諾なく自由に改変することができる。
4
受注者は、契約の履行の目的物(役務を行う上で得られた記録等を含む。)が著作物に該当するとしないとにかかわらず、発注者が承諾した場合には、当該契約の履行の目的物を使用又は複製し、また、第1第4項の規定にかかわらず当該契約の履行の目的物の内容を公表することができる。
5
受注者は、第1項ただし書の規定により共有となった著作物を第三者に提供する場合においては、あらかじめ、発注者の承諾を得なければならない。
この場合、承諾の内容は発注者と受注者との間において協議して定める。
6
発注者は、受注者が契約の履行の目的物の作成に当たって開発したプログラム(著作権法第10条第1項第9号に規定するプログラムの著作物をいう。)及びデータベース(著作権法第12条の2に規定するデータベースの著作物をいう。)について、受注者が承諾した場合には、別に定めるところにより、当該プログラム及びデータベースを利用することができる。
7
受注者は、第8ただし書で認める範囲において第三者に委任し、又は請け負わせる場合には、前各項に定める規定を当該第三者が遵守するように必要な措置を講じなければならない。
第8 一括委任又は一括下請負の禁止
受注者は、役務の全部又は大部分を一括して第三者に委任し、又は請負わせてはならない。
ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
第9 下請負人の通知
発注者は、受注者に対して、下請負人の商号又は名称その他必要な事項の通知を請求することができる。
第10 特許権等の使用
受注者は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利(以下「特許権等」という。)の対象となっている役務実施方法等を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。
ただし、発注者がその役務実施方法等を仕様書に定めた場合において、特許権等の対象である旨の明示がなく、かつ、受注者がその存在を知らなかったときは、発注者は、受注者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
第11 監督職員
1
発注者は、必要がある場合は、監督職員を置き、役務の目的物の所在する場所へ派遣して役務の実施について監督をさせることができる。
2
発注者は、前項の監督職員を置いたときは、その氏名を受注者に通知しなければならない。
監督職員を変更したときも同様とする。
3
監督職員は、この契約基準に定めるもの及びこの契約基準に基づく発注者の権限とされる事項のうち発注者が必要と認めて監督職員に委任したもののほか、次に掲げる権限を有する。
(1)
契約の履行についての指示、承諾又は協議
(2)
仕様書に基づく工程の管理、立会、役務の実施状況の検査又は役務材料の試験若しくは検査
(3)
請負費内訳書の調査及び役務の実施に適合させるための内容調整
(4)
関連する他の役務との工程等の調整
4
前項に定める権限は、受注者又は第12に規定する現場責任者に対してのみ行使できるものとする。
5
発注者は、監督職員にこの契約基準に基づく発注者の権限の一部を委任したときは、当該委任した権限の内容を受注者に通知しなければならない。
ただし、仕様書に定めた場合は、この限りでない。
6
発注者が監督職員を置かないときは、契約書及びこの契約基準に定める監督職員の権限は、発注者に帰属する。
第12 現場責任者
1
受注者は、役務の実施に当たり、受注者自ら役務を行う場合を除き、従業員の中から現場責任者を定め、その氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。
現場責任者を変更したときも同様とする。
2
現場責任者は、契約の履行に関して従事者を指揮監督するものとする。
3
受注者は、契約の履行前に、契約の履行に従事する者の氏名その他必要な事項を発注者に通知しなければならない。
第13 履行報告
受注者は、仕様書に定めるところにより、契約の履行について発注者に報告しなければならない。
第14 役務関係者に関する措置請求
1
発注者又は監督職員は、受注者、従業員等で役務の実施又は管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは、受注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを求めることができる。
2
受注者は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について速やかに調査し、その結果を書面により発注者に通知しなければならない。
3
受注者は、監督職員がその職務の執行につき著しく不適当と認められるときは、発注者に対して、その理由を明示した書面により、必要な措置をとるべきことを求めることができる。
4
発注者は、前項の規定による請求があったときは、当該請求に係る事項について速やかに調査し、その結果を書面により受注者に通知しなければならない。
第15 役務実施上必要な資器材等
受注者は、役務実施上必要な資器材、消耗品については、すべて自己の責任と負担で準備しなければならない。
ただし、発注者が必要と認め、発注者が受注者に支給する役務材料(以下「支給材料」という。)及び役務の実施上使用するために貸与する物品(以下「貸与品」という。)がある場合は、この限りでない。
第16 支給材料及び貸与品
1
第15に規定する支給材料及び貸与品の品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所及び引渡時期は、仕様書に定めるところによる。
2
発注者は、支給材料又は貸与品の引渡しに当たっては、受注者の立会いの上、発注者の負担において、当該支給材料又は貸与品を検査しなければならない。
この場合において、当該検査の結果、その規格又は性能が仕様書の定めと異なり、又は使用に適当でないと認めたときは、受注者は直ちにその旨を発注者に通知しなければならない。
3
受注者は、支給材料又は貸与品の引渡しを受けたときは、遅滞なく発注者に受領書又は借用書を提出しなければならない。
ただし、発注者が必要ないと認めたときは省略することができる。
4
受注者は、支給材料又は貸与品の引渡しを受けた後、当該支給材料又は貸与品に第2項の検査により発見することが困難であった隠れた瑕疵があり使用に適当でないと認めたときは、その旨を直ちに発注者に通知しなければならない。
5
発注者は、受注者から第2項後段又は前項の規定による通知を受けた場合において、必要があると認められるときは、当該支給材料若しくは貸与品に代えて他の支給材料若しくは貸与品を引渡し、支給材料若しくは貸与品の品名、数量、品質、規格若しくは性能を変更し、又は理由を明示した書面により当該支給材料若しくは貸与品の使用を受注者に求めることができる。
6
発注者は、前項に規定するほか、必要があると認めるときは、支給材料又は貸与品の品名、数量、品質、規格若しくは性能、引渡場所又は引渡時期を変更することができる。
7
発注者は、前2項の場合において、必要があると認められるときは役務請負期間若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
8
受注者は、支給材料又は貸与品を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
9
受注者は、役務の完了又は役務内容の変更等によって不用となった支給材料又は貸与品を仕様書で定めるところにより発注者に返還しなければならない。
10
受注者は、故意又は過失により支給材料又は貸与品が滅失若しくは毀損し、又はその返還が不可能となったときは、発注者の指定した期間内に代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えて損害を賠償しなければならない。
11
受注者は、支給材料又は貸与品の使用方法が仕様書に明示されていないときは、発注者の指示に従わなければならない。
第17 仕様書に不適合の場合の変更義務
受注者は、役務の実施が仕様書に適合しない場合において、発注者がその役務実施方法等の変更又は役務に使用する材料の取替えを請求したときは、これに従わなければならない。
この場合において、当該不適合が発注者の責めに帰すべき事由によるときは、発注者は、必要があると認められるときは役務請負期間若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
第18 仕様内容の変更
1
発注者は、必要があると認めるときは、仕様内容の変更を受注者に通知して、仕様内容を変更することができる。
2
発注者は、前項の規定により仕様内容を変更した場合において、必要があると認められるときは、役務実施期間若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
この場合における役務実施期間、請負代金額の変更又は負担額は、発注者と受注者との間において協議して定める。ただし、請負代金額の変更の算定方法を仕様書に定めた場合はこの協議は整ったものとみなす。
第19 役務の中止
1
発注者は、必要があると認めるときは、役務の中止内容を受注者に通知して、役務の全部又は一部の実施を一時中止させることができる。
2
発注者は、前項の規定により役務の実施を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは、役務実施期間若しくは請負代金額を変更し、又は受注者が役務の実施の一時中止に伴う増加費用を必要とし若しくは受注者に損害を及ぼしたときは、その増加費用を負担し、若しくはその損害を賠償しなければならない。
この場合における負担額又は賠償額は、発注者と受注者との間において協議して定める。
第20 受注者の請求による完了期限の延長
受注者は、天候の不良その他受注者の責めに帰することのできない事由により完了期限までに役務を完了することができないときは、その理由を明示した書面により発注者に完了期限の延長を請求することができる。
この場合における延長日数は、発注者と受注者との間において協議して書面により定めなければならない。
第21 発注者の請求による完了期限の短縮
1
発注者は、特別の理由により完了期限を短縮する必要があるときは、完了期限の短縮を受注者に請求することができる。
2
発注者は、契約書及びこの契約基準の他の条項の規定により完了期限を延長すべき場合において、特別の理由があるときは、通常必要とされる完了期限に満たない完了期限への変更を請求することができる。
3
発注者は、前2項の場合において、必要があると認められるときは、発注者と受注者との間において協議して請負代金額を変更しなければならない。
第22 完了期限の変更方法
1
完了期限の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。
ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2
前項の協議開始日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。
ただし、発注者が完了期限の変更事由が生じた日(第20の場合にあっては、発注者が完了期限変更の請求を受けた日、第21第1項及び第2項の場合にあっては、受注者が完了期限変更の請求を受けた日)から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
第23 請負代金額の変更方法等
1
請負代金額の変更については、発注者と受注者とが協議して定める。
ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2
前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。
ただし、請負代金額の変更事由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
3
契約書及びこの契約基準の規定により、受注者が増加費用を必要とした場合又は損害を受けた場合に発注者が負担する必要な費用の額については、発注者と受注者とが協議して定める。
第24 臨機の措置
1
受注者は、災害防止等のため必要があると認めるときは、臨機の措置をとらなければならない。
この場合において、受注者は、あらかじめ発注者の意見を聴かなければならない。ただし、緊急やむを得ない事情があるときは、この限りでない。
2
前項の場合においては、受注者は、そのとった措置の内容を遅滞なく発注者に通知しなければならない。
3
発注者は、災害防止その他役務の実施上特に必要があると認めるときは、受注者に対して臨機の措置をとることを求めることができる。
4
受注者が第1項又は前項の規定により臨機の措置をとった場合において、当該措置に要した費用のうち、受注者が請負代金額の範囲内において負担することが適当でないと認められる部分については、発注者がこれを負担する。
この場合における発注者の負担額は、発注者と受注者との間において協議して定める。
第25 一般的損害
役務の完了前に、役務の対象物又は支給材料について生じた損害その他役務の実施に関して生じた損害は、受注者の負担とする。
ただし、その損害のうち発注者の責めに帰すべき理由により生じたものについては、発注者がこれを負担する。この場合において、損害保険その他損害をてん補するものがあるときは、発注者と受注者との間において協議して発注者の負担額を定めるものとする。
第26 検査
1
受注者は、役務が完了したときは、その旨を役務完了通知書等により発注者に通知しなければならない。
ただし、発注者が、その必要を認めない場合で、かつ、受注者に、日々又は一定期間あるいは一定時期の役務報告書(以下「日報」という。)を提出する旨仕様書に定めた場合は、日報を役務完了通知書等とみなすとともに、完了期限の日をもって受注者からの通知があったものとみなす。
2
検査を行う職員は、前項の規定による通知を受けたときは、通知を受けた日から10日以内に受注者の立会いの上、仕様書の定めるところにより、当該役務の完了を確認するための検査を行い、必要に応じて当該検査の結果を受注者に通知するものとする。
この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、請負の目的物を最小限度の破損、分解又は試験により検査をすることができる。
3
前項の場合において、検査又は復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
4
受注者は、第2項の検査に合格したときは、発注者に対し、請負の目的物(請負の目的物がある場合に限る。)の引渡しをしなければならない。
5
受注者は、第2項の検査に合格しないときは、直ちに修補して発注者の検査を受けなければならない。
この場合においては、修補の完了を役務の完了とみなし、前4項の規定を適用する。
第27 請負代金の支払
1
受注者は、第26第2項の検査に合格したときは、役務請負代金請求書(以下「請求書」という。)により請負代金の支払を請求することができる。
2
発注者は、前項の規定による請求があったときは、原則として、検査合格の日の翌月末日までに請負代金を支払うものとする。
第28 部分払
1
受注者は、役務の完了前に、性質上可分の役務の完了部分については当該完了部分に相応する請負代金相当額の全額について、性質上不可分の役務の完了部分については当該完了部分に相応する請負代金相当額の10分の9以内の額について、それぞれ次項以下に定めるところにより部分払を請求することができる。
2
受注者は、部分払を請求しようとするときは、あらかじめ、当該請求に係る役務の完了部分の確認を発注者に請求しなければならない。
3
発注者は、前項の場合において、当該請求を受けた日から10日以内に、受注者の立ち会いの上、仕様書に定めるところにより、前項の確認をするための検査を行い、必要に応じて当該確認の結果を受注者に通知するものとする。
この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、請負の目的物を最小限度の破損、分解又は試験により検査をすることができる。
4
前項の場合において、検査又は復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
5
受注者は、第3項の規定による確認があったときは、請求書により部分払を請求することができる。
この場合においては、発注者は、第27第2項と同様に支払うものとする。
6
部分払金の額は、性質上可分の役務の完了部分については第3項に規定する検査において確認した完了部分に相応する請負代金相当額の全額とし、性質上不可分の役務の完了部分については次の式により算定する。この場合において、第1項の請負代金相当額は、発注者と受注者との間において協議して定める。
部分払金の額≦ 第1項の請負代金相当額× 9/10
7
第5項の規定により部分払金の支払があった後、再度部分払の請求をする場合においては、第1項及び前項中「請負代金相当額」とあるのは「請負代金相当額から既に部分払の対象となった請負代金相当額を控除した額」とするものとする。
第29 月払い等の特約
役務が年間等一定期間連続する契約で、1月あるいは数月の役務単位で請負代金を支払う場合においては、その単位最終日を完了期限とみなし、この契約基準を適用する。
第30 瑕疵担保
1
発注者は、役務の実施に瑕疵があるときは、受注者に対して第26第2項の検査完了の日から1年以内にその瑕疵の修補を請求し、又は修補に代え若しくは修補とともに損害の賠償を請求することができる。
2
発注者は、役務の完了の際に瑕疵があることを知ったときは、前項の規定にかかわらず、その旨を直ちに受注者に通知しなければ、当該瑕疵の修補又は損害賠償の請求をすることはできない。
ただし、受注者がその瑕疵があることを知っていたときは、この限りでない。
3
発注者は、役務の対象物が第1項の瑕疵により滅失又は毀損したときは、同項に定める期間内で、かつ、その滅失又は毀損の日から6月以内に同項の権利を行使しなければならない。
4
第1項の規定は、役務の実施の瑕疵が支給材料の性質又は発注者の指示により生じたものであるときは、これを適用しない。
ただし、受注者がその材料又は指示の不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
第31 履行遅滞の場合における損害金等
1
受注者の責めに帰すべき理由により完了期限内に役務を完了することができない場合においては、発注者は、損害金の支払を受注者に請求することができる。
2
前項の損害金の額は、請負代金額から完了部分に相応する請負代金額を控除した額につき、遅延日数に応じ、政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和24年法律第256号)第8条第1項の規定に基づく、政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率(以下「遅延利息率」という。)を乗じて計算した額とする。
3
発注者の責めに帰すべき理由により第27第2項の規定による請負代金の支払が遅れた場合においては、受注者は、未受領金額につき、遅延日数に応じ、遅延利息率を乗じて計算した額の遅延利息の支払を発注者に請求することができる。
第31の2 談合等不正行為があった場合の違約金等
1
受注者は、この契約に関して、次の各号のいずれかに該当するときは、契約金額の10分の1に相当する額を違約金として発注者が指定する期日までに支払わなければならない。
(1)
1) 受注者が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)第3条又は第19条の規定に違反し、又は受注者が構成員である事業者団体が同法第8条第1号の規定に違反したことにより公正取引委員会が受注者又は受注者が構成員である事業者団体に対して、同法第49条に規定する排除措置命令又は同法第62条第1項に規定する納付命令を行い、当該命令が確定したとき。
ただし、受注者が同法第19条の規定に違反した場合であって当該違反行為が同法第2条第9項の規定に基づく不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)第6項に規定する不当廉売の場合など発注者に金銭的損害が生じない行為として受注者がこれを証明し、その証明を発注者が認めたときは、この限りでない。
(2)
公正取引委員会が、受注者に対して独占禁止法第7条の2第18項又は第21項の規定による課徴金の納付を命じない旨の通知を行ったとき。
(3)
受注者(受注者が法人の場合にあっては、その役員又は使用人)が刑法(明治40年法律第45号)第96条の6又は独占禁止法第89条第1項若しくは第95条第1項第1号の規定による刑が確定したとき。
2
前項の規定は、発注者に生じた実際の損害の額が違約金の額を超過する場合において、発注者がその超過分の損害につき賠償を請求することを妨げない。
3
受注者はこの契約に関して、第1項の各号のいずれかに該当することとなった場合には、速やかに、当該処分等に係る関係書類を発注者に提出しなければならない。
第32 契約保証金
1
受注者は、契約保証金を納付した契約において、請負代金額の増額の変更をした場合は、増加後における総請負代金額に対する所要の契約保証金額と既納の契約保証金額との差額に相当するものを追加契約保証金として、発注者の指示に従い、直ちに納付しなければならない。
2
受注者が契約事項を履行しなかった場合において、契約保証金を納付しているときは、当該契約保証金は、発注者に帰属するものとする。
第33 発注者の契約解除
1
発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、契約を解除することができる。
(1)
正当な理由がないのに、役務に着手すべき時期を過ぎても役務に着手しないとき。
(2)
その責めに帰すべき理由により完了期限内又は完了期限経過後相当の期間内に役務を完了する見込みが明らかにないと認められるとき。
(3)
前2号に掲げる場合のほか、契約に違反し、その違反により契約の目的を達することができないと認められるとき。
(4)
第37第1項の規定によらないで契約の解除を申し出たとき。
(5)
受注者が次のいずれかに該当するとき。
イ
役員等(受注者が個人である場合にはその者を、受注者が法人である場合にはその役員又はその支店若しくは常時製造請負契約を締結する事務所の代表者をいう。以下この号において同じ。)が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号。以下「暴力団対策法」という。)第2条第6号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)であると認められるとき。
ロ
暴力団(暴力団対策法第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下この号において同じ。)又は暴力団員が経営に実質的に関与していると認められるとき。
ハ
役員等が自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって、暴力団又は暴力団員を利用するなどしたと認められるとき。
ニ
役員等が、暴力団又は暴力団員に対して資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接的あるいは積極的に暴力団の維持、運営に協力し、若しくは関与していると認められるとき。
ホ
役員等が暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有していると認められるとき。
ヘ
下請契約又は材料の購入契約その他の契約に当たり、その相手方がイからホまでのいずれかに該当することを知りながら、当該者と契約を締結したと認められるとき。
ト
受注者が、イからホまでのいずれかに該当する者を下請契約又は材料の購入契約その他の契約の相手方としていた場合(ヘに該当する場合を除く。)に、発注者が受注者に対して当該契約の解除を求め、受注者がこれに従わなかったとき。
2
前項の規定により契約が解除された場合において、受注者は、請負代金額の10分の1に相当する額を違約金として発注者の指定する期間内に支払わなければならない。
3
前項の場合において、契約保証金の納付が行われているときは、発注者は、当該契約保証金をもって違約金に充当することができる。
第34
1
発注者は、役務が完了するまでの間は、第33第1項に規定する場合のほか、必要があるときは、契約を解除することができる。
2
発注者は、前項の規定により契約を解除したときは、役務の完了部分を検査のうえ、当該検査に合格した完了部分に相応する請負代金を受注者に支払わなければならない。
3
前項の場合において、請負の目的物がある場合は、当該検査に合格した部分の引渡しを受けることができるものとする。
4
第26第2項後段及び第3項の規定は、前項の検査について準用する。
5
発注者は、第1項の規定により契約を解除したことによって受注者に損害を及ぼしたときは、その損害を賠償しなければならない。
この場合における賠償額は、発注者と受注者との間において協議して定める。
第35
発注者は、役務の完了した対象物に修補が不可能な役務上の瑕疵があるため、契約をした目的を達することができないときは、契約の解除をすることができるものとする。
第36 談合等不正行為に対する措置
1
発注者は、次の各号のいずれかに該当したときは、契約を解除することができる。
この場合において、受注者は、解除により生じた損害の賠償を請求することができない。
(1)
受注者が、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)第3条の規定に違反したことにより、公正取引委員会が受注者に対し、同法第50条第1項の規定に基づく課徴金の納付命令を行い、同条第5項により当該納付命令が確定したとき。
(2)
受注者(受注者が法人の場合にあっては、その役員又は使用人)について、刑法(明治40年法律第45号)第96条の3又は独占禁止法第89条第1項に規定する刑が確定したとき。
2
受注者は、前項各号のいずれかに該当するときは、発注者が契約を解除するか否かを問わず、賠償金として請負代金額の10分の1に相当する額を発注者の指定する期間内に支払わなければならない。
ただし、前項第1号に掲げる場合において、審決の対象となる行為が、独占禁止法第2条第9項に基づく不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)第6項に規定する不当廉売であるとき、その他発注者が特に認めるときは、この限りでない。
3
発注者は、実際に生じた損害の額が前項の請負代金額の10分の1に相当する額を超えるときは、受注者に対して、その超える額についても賠償金として請求することができる。
4
前2項の規定は、この契約による履行が完了した後においても適用があるものとする。
第37 受注者の契約解除
1
受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、契約を解除することができる。
(1)
発注者が契約に違反し、その違反により役務を完了することが不可能となったとき。
(2)
天災地変等避けることのできない事由により、役務を完了することが不可能又は著しく困難となったとき。
2
第34第2項から第5項までの規定は、前項の規定により契約が解除された場合に準用する。
第38 解除に伴う措置
1
契約が解除された場合においては、受注者は、次項以下に定める措置をとらなければならない。
2
第16の規定による支給材料があるときは、役務の完了部分として検査に合格した部分に使用されているものを除き、これを発注者に返還しなければならない。
この場合において、当該支給材料が受注者の故意若しくは過失により滅失若しくは毀損したとき、又は役務の完了部分の検査に合格しなかった部分に使用されているときは、代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えてその損害を賠償しなければならない。
3
第16の規定による貸与品があるときは、これを発注者に返還しなければならない。
この場合において、当該貸与品が受注者の故意又は過失により滅失又は毀損したときは、代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えてその損害を賠償しなければならない。
4
第2項前段及び第3項前段に規定する受注者のとるべき措置の期限、方法等については、契約の解除が第33及び第35の規定によるときは発注者が定め、第34の規定によるとき又は第37の規定によるときは、発注者と受注者との間において協議して定めるものとし、第2項後段及び第3項後段に規定する受注者のとるべき措置の期限、方法等については、発注者が定めるものとする。
第39 賠償金等の徴収
1
受注者がこの契約に基づく賠償金、損害金又は違約金を発注者の指定する期間内に支払わないときは、発注者は、その支払わない額に発注者の指定する期間を経過した日から請負代金額支払の日まで年5パーセントの割合で計算した利息を付した額と、発注者の支払うべき請負代金額とを相殺し、なお不足があるときは追徴する。
2
前項の追徴をする場合には、発注者は、受注者から遅延日数につき年5パーセントの割合で計算した額の延滞金を徴収する。
第40 適用除外
この契約基準の一部について、これにより難い特別の事情がある場合は、当該部分を除外することができる。
第41 雑則
この契約基準に定めのない事項は、必要に応じて発注者と受注者との間において協議して定める。
附 則
この基準は、平成21年4月20日から実施し、平成21年4月1日から適用する。
附 則(平成25年3月5日基準第4号)
この基準は、平成25年3月5日から実施し、平成24年7月17日から適用する。
附 則(平成27年5月27日基準第6号)
1
この基準は、平成27年5月27日から実施し、平成27年4月1日から適用する。
2
この基準の適用日前に締結した契約については、なお従前の例による。