○国立大学法人茨城大学教員の業績評価に関する規程
(令和2年2月17日規程第3号)
(趣旨)
第1条
この規程は、国立大学法人茨城大学就業規則(平成16年規則第8号。以下「就業規則」という。)第49条第2項の規定に基づき、教員の業績評価に関し必要な事項を定める。
[
国立大学法人茨城大学就業規則(平成16年規則第8号。以下「就業規則」という。)第49条第2項
]
(目的)
第2条
業績評価は、教員の業績を把握し、適正に評価することにより、教員個々のパフォーマンスをさらに向上させ、本学の教育研究活動等を活性化させることを目的とする。
(評価対象者等)
第3条
業績評価は、雇用期間の定めの有無、月給制、年俸制の賃金体系にかかわらず原則として全ての常勤教員を対象とする。
2
評価対象者のうち出産、育児、介護等(以下「ライフイベント」という。)により評価対象期間に勤務しない期間を含む者については、その事に留意して評価を行う。
3
評価対象者のうち助手に対する評価基準、評価方法等は、当該教員の職務内容等を考慮し、所属する組織で定める。
(業績評価実施組織等)
第4条
業績評価を実施する組織の単位は、学野(以下「部局」という。)とする。
2
全学共同利用施設等が主たる勤務先である教員(以下「センター等教員」という。)については、所属する学野において評価を行う。
3
前2項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者に対する業績評価の実施方法等は、全学人事委員会の議を経て、別に定めるものとする。
(1)
国立大学法人茨城大学教職員賃金規程(平成16年規程第14号。以下「賃金規程」という。)別表第7に定める管理職手当が支払われる者
[
国立大学法人茨城大学教職員賃金規程(平成16年規程第14号。以下「賃金規程」という。)別表第7
]
(2)
賃金規程別表第8の2に定める職務付加手当が支払われる者
[
賃金規程別表第8の2
]
(3)
外部資金等で雇用される等で個別の労働契約がある者
(4)
前号に準じる者
(業績評価の実施期間等)
第5条
業績評価は毎年実施し、業績評価の対象となる期間(以下「評価期間」という。)は、4月1日から翌年の3月31日までの1年間とする。
2
年度の途中で採用された者の評価期間は、その採用日以後における最初の3月31日までとする。
ただし、就業規則第8条による試用期間である者に対する評価期間は、試用期間が終了した日の翌日から、その試用期間終了日以後における最初の3月31日までとする。
[
就業規則第8条
]
(業績評価の実施体制)
第6条
業績評価制度は、全学人事委員会が所管するものとし、全学的な評価結果について必要な検証を行い、業績評価制度の向上に努めるとともに、公正な評価を実施するため、評価者を対象とした研修会等を実施する。
2
国立大学法人茨城大学全学人事委員会細則(平成28年細則第45号)第8条の規定に基づき全学人事委員会の下に、評価方法の改善、評価業務の効率化等を推進するため、全学教員業績評価専門部会(以下「業績評価専門部会」という。)を置く。
[
国立大学法人茨城大学全学人事委員会細則(平成28年細則第45号)第8条
]
3
業績評価専門部会について必要な事項は、別に定める。
4
各部局の長(以下「部局長」という。)は、当該部局における業績評価を行うため、教員評価実施委員会(以下「評価実施委員会」という。)を設置する。
5
評価実施委員会について必要な事項は、部局長が別に定める。
(業績評価へのシステム活用等)
第7条
業績評価は、教員が登録を行う研究者情報管理システムに収録されているデータと大学が保有する既存データを活用し、教員業績評価システムにより行う。
2
大学は、業績評価に係る各種業務について簡素化及びシステム化することにより評価者及び被評価者の負担軽減を図るものとする。
(評価分野、評価要素等)
第8条
評価分野は、「教育」、「研究」、「社会貢献」及び「大学運営」の4分野とし、評価分野ごとに評価要素及び評価指標・資料を設定する。
2
評価要素は下表のとおりとし、評価要素ごとの評価指標・資料は別に定める。
評価分野
評価要素
教育
授業実施と点検
学生指導・支援
教育の改善
研究
計画的な研究の推進
研究成果の発信
社会貢献
社会貢献・地域連携
大学運営
大学運営への参画
3
前2項に定めるもののほか、教員が評価分野ごとの特筆的業績やライフイベント等の特記事項を記載する自由記述欄を設ける。
(職位ごとに求められる役割)
第9条
大学は、評価ウエイトやミニマム・リクワイアメント等の基準を作成するうえで、職位ごとに業務上求められる全学共通の役割を設定するものとし、その職位ごとの設定は下表のとおりとする。
職 位
求められる役割
教 授
教育の重要な役割を担い、大学教育の根幹となる科目を積極的に担当するとともに、研究や大学運営、社会貢献においても、中心的な役割を果たす。
准教授
教育及び研究において、中堅となって取り組み、また、校務・社会貢献も含めたバランスを考慮し、業務に積極的に従事する。
講 師
・
助 教
原則として、自身の学問分野を中心とした研究に重点を置きつつ、教育や社会貢献にも従事し、校務においては限定的あるいは補助的に参画する。これを通し、将来、中堅及び中心的な教員になるべく自己の成長を図る。
(評価ウエイトの設定)
第10条
大学は、評価をするうえで評価分野ごとの相対的な重み付けとなる全学標準評価ウエイトを定める。
2
前項に定める全学標準評価ウエイトは、職位ごとに求められる役割、職位ごとの様々な特性を考慮したうえで設定する。
3
全学標準評価ウエイトの合計は100%とし、80%を評価分野ごとに割り振り、20%は教員自己裁量(自己アピール)分として、教員が評価分野に対し自由に割り振ることができるものとし、その職位ごとの設定は下表のとおりとする。
評価分野等/職位
教 授
准教授
講 師
助 教
教育
30
30
30
25
研究
25
30
35
45
社会貢献
10
10
5
5
大学運営
15
10
10
5
教員自己裁量分
20
20
20
20
4
部局長は、当該部局の業務特性等を考慮し、全学人事委員会の議を経たうえで、評価分野ごとに定めた全学標準評価ウエイトの配分を変更することができる。
5
教員は、評価対象期間中の業務状況を考慮し、教員自己裁量(自己アピール)分の評価ウエイト配分を評価対象期間が終了するまでに、決定するものとする。
(ミニマム・リクワイアメント)
第11条
大学は、全学的な教育研究活動の活性化を図るため、業務上最低限求められる条件として、全学共通ミニマム・リクワイアメントを定める。
2
全学共通ミニマム・リクワイアメントは、別に定める。
3
部局長は、当該部局の業務特性等を考慮し、全学人事委員会の議を経たうえで、部局内におけるミニマム・リクワイアメントの追加・変更等を行うことができる。
(評点付与)
第12条
評点の付与は、評価分野における評価要素ごとの業務到達状況を示す観点と尺度からなる分野別評価区分表(以下「ルーブリック」という。)により行うものとし、部局ごとに定める。
2
ルーブリックにおける評点区分と評点は下表のとおりとし、評点は評価要素ごとに付与する。
評定区分
評 点
極めて優れている
3
優れている
2
標準的である
1
課題がある
0
3
部局長は、当該部局の特性等を考慮し、ルーブリックを設定する。
(評点の調整)
第13条
部局長は、必要に応じて、被評価者の自由記述欄を考慮し、前条により付与された評点について調整することができる。
2
部局長は、センター等教員に係る評点付与については、当該センター等教員の所属長からの意見を考慮し、評点を調整することができる。
(評価分野別評点及び総合評価値の算出)
第14条
評価分野別評点及び総合評価値の算出方法は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)
評価分野別評点 同一評価分野中における評価要素の評点の平均値に、評価ウエイトを乗じた値
(2)
総合評価値 前号の評価分野別評点を合算した値
(総合評価)
第15条
総合評価における評価区分と標語は下表のとおりとする。
評価区分
標 語
S
+
極めて顕著な業績
S
特に顕著な業績
A
+
顕著な業績
A
標準
B
業績不良
C
特に業績不良
2
総合評価は、総合評価値とミニマム・リクワイアメントの達成状況を加味して、決定する。
3
評価区分に対する総合評価値の範囲は、別に定める。
(総合評価の決定等)
第16条
部局長は、部局での業績評価(以下「部局評価」という。)を実施し、その結果を学長に提出する。
2
学長は、前項に定める結果に対する業績評価専門部会からの意見を踏まえて、総合評価を決定する。
3
学長は、部局長を通じて、総合評価及び総合評価値を教員に通知する。
4
部局長は、教員の自己改善につなげるため、所属部局内における評価結果の標準値を本人へフィードバックする。
5
部局長は、教員のエンカレッジのため、全教員と面談することを基本とする。
ただし、面談実施者と対象者の範囲は各部局で変更できるものとする。
(異議申立て)
第17条
教員は、総合評価について異議がある場合は、書面により、部局長を通じて学長に異議を申し立てることができる。
2
学長は、前項に定める異議申立てがあった場合は、業績評価専門部会で申立内容の確認を行ったうえで、部局長へ再度部局評価を依頼し、その結果を踏まえて総合評価の再決定を行い、部局長を通じて教員へ通知する。
(評価基準等の特例)
第18条
部局長は、ライフイベント、長期出張、サバティカル等の特別な事情がある者に対する評価基準の設定等については、その事情を考慮しなければならない。
2
学生が所属しない組織における評価基準の設定等については、当該組織の業務特性を考慮し、全学人事委員会の議を経て、特例的な評価指標・資料やミニマム・リクワイアメントの設定等を行うことができる。
(評価結果の活用)
第19条
教員は、評価結果をもとに自らの諸活動の改善及び向上等に努めるとともに、本学の教育研究活動等の活性化に役立てるものとする。
2
学長は、評価結果を教員の処遇に適切に反映させるものとする。
(その他)
第20条
この規程に定めるもののほか、業績評価に関し必要な事項は、学長が別に定める。
附 則
(施行期日)
1
この規程は、令和2年2月17日から施行する。
(経過措置)
2
施行日の前日から引き続き賃金規程別表第4の適用を受ける者に対する令和2年における業績評価は、国立大学法人茨城大学年俸制適用教員の業績評価に関する規程(平成28年規程第61号)により実施するものとする。