○国立大学法人茨城大学製造請負契約基準
(平成21年4月20日基準第11号)
改正
平成25年3月5日基準第2号
平成27年5月27日基準第4号
令和2年11月4日基準第11号
この基準は、国立大学法人茨城大学契約事務取扱規程(平成27年規程第52号)第2条第2項の規定に基づき、国立大学法人茨城大学における製造に関する請負契約の一般的約定事項を定めるものである。
第1 総則
1
発注者及び受注者は、契約書及びこの契約基準に基づき、設計図書(図面及び仕様書をいう。以下同じ。)に従い、日本国の法令を遵守し、この契約(契約書及びこの契約基準並びに設計図書を内容とする製造の請負をいう。以下同じ。)を履行しなければならない。
2
受注者は、契約書記載の製造を契約書記載の納期内に完成し、製造目的物を発注者に引き渡すものとし、発注者は、その請負代金を支払うものとする。
3
製造の実施方法等製造目的物を完成するために必要な一切の手段(「製造方法等」という。)については、契約書及びこの契約基準並びに設計図書に特別の定めがある場合を除き、受注者がその責任において定める。
4
受注者は、この契約の履行に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
5
契約書及びこの契約基準に定める催告、請求、通知、報告、申出、承諾及び解除は、書面により行わなければならない。
6
この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる言語は、日本語とする。
7
契約書及びこの契約基準に定める金銭の支払に用いる通貨は、日本円とする。
8
この契約の履行に関して発注者と受注者との間で用いる計量単位は、設計図書に特別の定めがある場合を除き、計量法(平成4年法律第51号)に定めるものとする。
9
契約書及びこの契約基準並びに設計図書における期間の定めについては、民法(明治29年法律第89号)及び商法(明治32年法律第48号)の定めるところによるものとする。
10
この契約は、日本国の法令に準拠するものとする。
11
この契約に係る訴訟については、日本国の裁判所をもって合意による専属的管轄裁判所において行うものとする。
第2 製造の施行の調整
発注者は、受注者の施行する製造及び発注者の発注に係る第三者の施行する製造が施行上密接に関連する場合において、必要があるときは、その施行につき、調整を行うものとする。
この場合においては、受注者は、発注者の調整に従い、当該第三者の行う製造の円滑な施行に協力しなければならない。
第3 製造費内訳書の提出
1
受注者は、この契約締結後15日以内に設計図書に基づいて、製造費内訳書(以下「内訳書」という。)を作成し、発注者に提出しなければならない。
ただし、発注者が、受注者に当該内訳書の提出を必要としない旨設計図書等に定めた場合は、この限りでない。
2
内訳書は、発注者及び受注者を拘束するものではない。
第4 権利義務の譲渡等
1
受注者は、この契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、又は承継させてはならない。
ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
2
受注者は、請負の目的物及び第23第3項の規定による部分払のための確認を受けたものを第三者に譲渡し、貸与し、又は質権その他の担保の目的に供してはならない。
ただし、あらかじめ、発注者の承諾を得た場合は、この限りでない。
[
第25第3項
]
3
受注者が前払金の使用や部分払等によってもなおこの契約の目的物に係る請負に必要な資金が不足することを疎明したときは、発注者は、特段の理由がある場合を除き、受注者の請負代金債権の譲渡について、第1項ただし書の承諾をしなければならない。
4
受注者は、前項の規定により、第1項ただし書の承諾を受けた場合は、請負代金債権の譲渡により得た資金をこの契約の目的物に係る請負以外に使用してはならず、またその使途を疎明する書類を発注者に提出しなければならない。
第5 一括委任又は一括下請負の禁止
受注者は、製造の全部若しくはその主たる部分又は他の部分から独立してその機能を発揮する製造物の製造を一括して第三者に委任し、又は請け負わせてはならない。
第6 下請負人の通知
発注者は、受注者に対して、下請負人の商号又は名称その他必要な事項の通知を請求することができる。
第7 特許権等の使用
受注者は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権その他日本国の法令に基づき保護される第三者の権利(以下「特許権等」という。)の対象となっている製造材料、製造方法等を使用するときは、その使用に関する一切の責任を負わなければならない。
ただし、発注者がその製造材料、製造方法等を指定した場合において、設計図書に特許権等の対象である旨の明示がなく、かつ、受注者がその存在を知らなかったときは、発注者は、受注者がその使用に関して要した費用を負担しなければならない。
第8 監督職員
1
発注者は、必要がある場合は、監督職員を置き、請負の目的物の所在する場所へ派遣して製造の施行について監督をさせることができる。
2
発注者は、前項の監督職員を置いたときは、その氏名を受注者に通知しなければならない。
監督職員を変更したときも同様とする。
3
監督職員は、この契約基準に定めるもの及びこの契約基準に基づく発注者の権限とされる事項のうち発注者が必要と認めて監督職員に委任したもののほか、設計図書に定めるところにより、設計図書に基づく工程の管理、立会い、製造の施行状況の検査又は製造材料の試験若しくは検査(確認を含む。)の権限を有する。
4
発注者は、監督職員に契約書及びこの契約基準に基づく発注者の権限の一部を委任したときにあっては、当該委任した権限の内容を、受注者に通知しなければならない。
ただし、設計図書に定めた場合はこの限りでない。
5
発注者が監督職員を置いたときは、契約書及びこの契約基準に定める催告、請求、通知、報告、申出、承諾及び解除については、設計図書に定めるものを除き、監督職員を経由して行うものとする。
この場合においては、監督職員に到達した日をもって発注者に到達したものとみなす。
6
発注者が監督職員を置かないときは、契約書及びこの契約基準に定める監督職員の権限は、発注者に帰属する。
第9 履行報告
受注者は、設計図書に定めるところにより、契約の履行について発注者に報告しなければならない。
第10 製造材料の品質
製造材料の品質については、設計図書に定めるところによる。
設計図書にその品質が明示されていない場合にあっては、中等の品質又は均衡を得た品質を有するものとする。
第11 支給材料及び貸与品
1
発注者が受注者に支給する製造材料(以下「支給材料」という。)及び貸与する製造機械器具(以下「貸与品」という。)の品名、数量、品質、規格又は性能、引渡場所及び引渡時期は、設計図書に定めるところによる。
2
発注者又は監督職員は、支給材料又は貸与品の引渡しに当たっては、受注者の立会いの上、発注者の負担において、当該支給材料又は貸与品を検査しなければならない。
この場合において、当該検査の結果、その品名、数量、品質又は規格若しくは性能が設計図書の定めと異なり、又は使用に適当でないと認めたときは、受注者は、その旨を直ちに発注者に通知しなければならない。
3
受注者は、支給材料又は貸与品の引渡しを受けたときは、引渡しの日から7日以内に、発注者に受領書又は借用書を提出しなければならない。
4
受注者は、支給材料又は貸与品の引渡しを受けた後、当該支給材料又は貸与品に種類、品質又は数量に関しこの契約の内容に適合しないこと(第2項の検査により発見することが困難であったものに限る。)などがあり使用に適当でないと認めたときは、その旨を直ちに発注者に通知しなければならない。
5
発注者は、受注者から第2項後段又は前項の規定による通知を受けた場合において、必要があると認められるときは、当該支給材料若しくは貸与品に代えて他の支給材料若しくは貸与品を引渡し、支給材料若しくは貸与品の品名、数量、品質、規格若しくは性能を変更し、又は理由を明示した書面により当該支給材料若しくは貸与品の使用を受注者に請求しなければならない。
6
発注者は、前項に規定するほか、必要があると認めるときは、支給材料又は貸与品の品名、数量、品質、規格若しくは性能、引渡場所又は引渡時期を変更することができる。
7
発注者は、前2項の場合において、必要があると認められるときは製造実施期間若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
8
受注者は、支給材料及び貸与品を善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。
9
受注者は、設計図書に定めるところにより、製造の完成、設計図書の変更等によって不用となった支給材料又は貸与品を発注者に返還しなければならない。
10
受注者は、故意又は過失により支給材料又は貸与品が滅失若しくは毀損し、又はその返還が不可能となったときは、発注者の指定した期間内に代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えて損害を賠償しなければならない。
11
受注者は、支給材料又は貸与品の使用方法が設計図書に明示されていないときは、発注者の指示に従わなければならない。
第12 設計図書不適合の場合の改造義務
受注者は、製造の施行部分が設計図書に適合しない場合において、発注者がその改造又は使用材料の取替えを請求したときは、当該請求に従わなければならない。
この場合において、当該不適合が発注者の責めに帰すべき事由によるときは、発注者は、必要があると認められるときは製造実施期間若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
第13 設計図書の変更
1
発注者は、必要があると認めるときは、設計図書の変更内容を受注者に通知して、設計図書を変更することができる。
2
発注者は、前項の規定により設計図書を変更した場合において、必要があると認められるときは、製造実施期間若しくは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
第14 製造の中止
1
発注者は、必要があると認めるときは、製造の中止内容を受注者に通知して、製造の全部又は一部の施行を一時中止させることができる。
2
発注者は、前項の規定により製造の施行を一時中止させた場合において、必要があると認められるときは、製造実施期間若しくは請負代金額を変更し、又は受注者が製造の施行の一時中止に伴う増加費用を必要とし若しくは受注者に損害を及ぼしたときは、必要な費用を負担しなければならない。
第15 著しく短い完納期限の禁止
発注者は、完納期限の延長又は短縮を行うときは、この請負に従事する者の労働時間その他の労働条件が適正に確保されるよう、やむを得ない事由により請負等の実施が困難であると見込まれる日数等を考慮しなければならない。
第16 受注者の請求による完納期限の延長
受注者は、天候の不良、第2の規定に基づく関連製造の調整への協力その他受注者の責めに帰すことができない事由により完納期限までに給付を完了することができないときは、遅滞なく、その理由を明示した書面により発注者に完納期限の延長変更を請求することができる。
[
第2
]
第17 発注者の請求による完納期限の短縮等
1
発注者は、特別の理由により完納期限を短縮する必要があるときは、完納期限の短縮変更を受注者に請求することができる。
2
発注者は、前項の場合において、必要があると認められるときは請負代金額を変更し、又は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費用を負担しなければならない。
第18 完納期限の変更方法
1
完納期限の変更については、発注者と受注者が協議して定める。
ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2
前項の協議開始日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。
ただし、発注者が完納期限の変更事由が生じた日(第16の場合にあっては、発注者が完納期限変更の請求を受けた日、第17の場合にあっては、受注者が完納期限変更の請求を受けた日)から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
[
第18
] [
第19第1項
] [
第2項
]
第19 請負代金額の変更方法等
1
請負代金額の変更については、発注者と受注者が協議をして定める。
ただし、協議開始の日から14日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
2
前項の協議開始の日については、発注者が受注者の意見を聴いて定め、受注者に通知するものとする。
ただし、請負代金額の変更事由が生じた日から7日以内に協議開始の日を通知しない場合には、受注者は、協議開始の日を定め、発注者に通知することができる。
3
契約書及びこの契約基準の規定により、受注者が増加費用を必要とした場合又は損害を受けた場合に発注者が負担する必要な費用の額については、発注者と受注者が協議をして定める。
第20 一般的損害
請負の目的物の引渡し前に、当該目的物又は製造材料について生じた損害その他製造の施行に関して生じた損害については、受注者がその費用を負担する。
ただし、その損害(火災保険等によりてん補された部分は除く。)のうち発注者の責めに帰すべき理由により生じたものについては、発注者がこれを負担する。
第21 検査及び引渡し
1
受注者は、製造が完成したときは、その旨を製造完成通知書により発注者に通知しなければならない。
2
検査を行う職員は、前項の規定による通知を受けたときは、通知を受けた日から10日以内に受注者の立会いのうえ、設計図書に定めるところにより、当該製造の完成を確認するための検査を完了し、必要に応じて当該検査の結果を受注者に通知しなければならない。
この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、請負の目的物を最小限度の破損、分解又は試験により検査をすることができる。
3
前項の場合において、検査又は復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
4
受注者は、第2項の検査に合格したときは、発注者に対し、請負の目的物の引渡しをしなければならない。
5
受注者は、第2項の検査に合格しないときは、直ちに修補して発注者の検査を受けなければならない。
この場合においては、修補の完了を製造の完成とみなし、前4項の規定を適用する。
第22 請負代金の支払
1
受注者は、第21第2項の検査に合格したときは、製造請負代金請求書により請負代金の支払を請求することができる。
[
第23第2項
]
2
発注者は、前項の規定による請求があったときは、原則として、検査合格の日の翌月末日までに請負代金を支払うものとする。
3
発注者がその責めに帰すべき事由により第21第2項の期間内に検査をしないときは、その期限を経過した日から検査をした日までの期間の日数は、前項の期間(以下「約定期間」という。)の日数から差し引くものとする。
この場合において、その遅延日数が約定期間の日数を超えるときは、約定期間は、遅延日数が約定期間の日数を超えた日において満了したものとみなす。
第23 部分払
1
受注者は、製造の完成前に、性質上可分の完済部分については当該完済部分に相応する請負代金相当額の全額について、性質上不可分の出来形部分については当該出来形部分に相応する請負代金相当額の10分の9以内の額について、それぞれ次項以下に定めるところにより部分払を請求することができる。
2
受注者は、部分払を請求しようとするときは、あらかじめ、当該請求に係る完済部分又は出来形部分の確認を発注者に請求しなければならない。
3
発注者は、前項の場合において、当該請求を受けた日から10日以内に、受注者の立会いの上、設計図書に定めるところにより、同項の確認をするための検査を行い、必要に応じて当該確認の結果を受注者に通知しなければならない。
この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、完済部分又は出来形部分を最小限度の破壊、分解又は試験して検査することができる。
4
前項の場合において、検査又は復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
5
受注者は、第3項の規定による確認があったときは、製造請負代金部分払請求書により部分払を請求することができる。
この場合においては、発注者は、第22第2項と同様に支払うものとする。
[
第24第2項
]
6
部分払金の額は、性質上可分の完済部分については第3項に規定する検査において確認した完済部分に相応する請負代金相当額の全額とし、性質上不可分の出来形部分については次の式により算定する。この場合において第1項の請負代金相当額は、発注者と受注者との間において協議して定める。ただし、発注者が前項の請求を受けた日から10日以内に協議が整わない場合には、発注者が定め、受注者に通知する。
部分払金の額≦第1項の請負代金相当額×9/10
7
第5項の規定により部分払金の支払があった後、再度部分払の請求をする場合においては、第1項及び前項中「請負代金相当額」とあるのは「請負代金相当額から既に部分払の対象となった請負代金相当額を控除した額」とするものとする。
第24 瑕疵担保
1
発注者は、引き渡された請負の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」という。)であるときは、受注者に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引き渡しによる履行の追完を請求することができる。
2
前項の場合において、受注者は、発注者に不相当な負担を課するものでないときは、発注者が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
3
第1項の場合において、発注者が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、発注者は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。
ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
(1)
履行の追完が不能であるとき。
(2)
受注者が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
(3)
請負の目的物の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、受注者が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
(4)
前3号に掲げる場合のほか、発注者がこの項の規定による催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
第25 契約保証金
1
受注者は、契約保証金を納付した契約において、請負代金額の増額の変更をした場合は、増加後における総請負代金額に対する所要の契約保証金額と既納の契約保証金額との差額に相当するものを追加契約保証金として、発注者の指示に従い、直ちに納付しなければならない。
2
受注者が契約事項を履行しなかった場合において、契約保証金を納付しているときは、当該契約保証金は、発注者に帰属するものとする。
第26 発注者の催告による解除権
発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、相当の期間を定めてその履行の催促をし、その期間内に履行がないときはこの契約を解除することができる。
ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
(1)
第4第4項に規定する書類を提出せず、又は虚偽の記載をしてこれを提出したとき。
(2)
正当な理由なく、製造に着手すべき期日を過ぎても製造に着手しないとき。
(3)
完納期限内又は完納期限経過後相当の期間内に給付を完了する見込みがないと認められるとき。
(4)
正当な理由なく、第24第1項の履行の追完がなされないとき。
(5)
前各号に掲げる場合のほか、この契約に違反したとき。
第27 発注者の催告によらない解除権
発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、直ちに契約を解除することができる。
(1)
第4第1項の規定に違反して請負代金債権を譲渡したとき。
(2)
第4第4項の規定に違反して譲渡により得た資金を当該請負以外に使用したとき。
(3)
この契約の目的物を給付することができないことが明らかであるとき。
(4)
引渡された請負の目的物に契約不適合がある場合において、その不適合が目的物を除却した上で再び製造しなければ、契約の目的を達成することができないものであるとき。
(5)
受注者がこの契約の目的物の給付債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
(6)
受注者の債務の一部の履行が不能である場合又は受注者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
(7)
契約の目的物の性質や当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達することができない場合において、受注者が履行をしないでその時期を経過したとき。
(8)
前各号に掲げる場合のほか、受注者がその債務の履行をせず、発注者が第26の催告をしても契約をした目的を達するのに足りる履行がされる見込みがないことが明らかであるとき。
(9)
暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下この条において同じ。)又は暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下この条において同じ。)が経営に実質的に関与していると認められる者に請負代金債権を譲渡したとき。
(10)
第30又は第31の規定によらないでこの契約の解除を申し出たとき。
(11)
受注者が次のいずれかに該当するとき。
イ
役員等(受注者が個人である場合にはその者を、受注者が法人である場合にはその役員又はその支店若しくは常時製造請負契約を締結する事務所の代表者をいう。以下この号において同じ。)が暴力団員であると認められるとき。
ロ
暴力団又は暴力団員が経営に実質的に関与していると認められるとき。
ハ
役員等が自己、自社若しくは第三者の不正の利益を図る目的又は第三者に損害を加える目的をもって、暴力団又は暴力団員を利用するなどしたと認められるとき。
ニ
役員等が、暴力団又は暴力団員に対して資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接的あるいは積極的に暴力団の維持、運営に協力し、若しくは関与していると認められるとき。
ホ
役員等が暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有していると認められるとき。
ヘ
下請契約又は材料の購入契約その他の契約に当たり、その相手方がイからホまでのいずれかに該当することを知りながら、当該者と契約を締結したと認められるとき。
ト
受注者が、イからホまでのいずれかに該当する者を下請契約又は材料の購入契約その他の契約の相手方としていた場合(ヘに該当する場合を除く。)に、発注者が受注者に対して当該契約の解除を求め、受注者がこれに従わなかったとき。
第28 発注者の任意解除権
発注者は、給付が完了するまでの間は、第26又は第27の規定によるほか、必要があるときは、この契約を解除することができる。
[
第29第1項
]
第29 発注者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限
第26各号又は第27各号に定める場合が発注者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、発注者は、第26及び第27の規定による契約の解除をすることができない。
第30 受注者の催告による解除権
受注者は、発注者がこの契約に違反したときは、相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、この契約を解除することができる。
ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がこの契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。
第31 受注者の催告によらない解除権
受注者は、天災その他避けることの出来ない理由により、給付を完了することが不可能又は著しく困難となったときは、この契約を解除することができる。
第32 受注者の責めに帰すべき事由による場合の解除の制限
第30又は第31に定める場合が受注者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、受注者は、第30及び第31の規定による契約の解除をすることができない。
第33 解除に伴う措置
1
発注者は、この契約が給付の完了前に解除された場合においては、出来形部分を検査の上、当該検査に合格した部分の引渡しを受けることができるものとし、当該引渡しを受けたときは、当該引渡しを受けた出来形部分に相応する請負代金を受注者に支払わなければならない。
この場合において、発注者は、必要があると認められるときは、その理由を受注者に通知して、出来形部分を最小限度の破損、分解又は試験をして検査することができる。
2
前項の場合において、検査又は復旧に直接要する費用は、受注者の負担とする。
3
受注者は、この契約が給付の完了前に解除された場合において、支給材料があるときは、第1項の出来形部分の検査に合格した部分に使用されているものを除き、第1項の発注者に返還しなければならない。
この場合において、当該支給材料が受注者の故意若しくは過失により滅失若しくは毀損したとき、又は出来形部分の検査に合格しなかった部分に使用されているときは、代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えてその損害を賠償しなければならない。
[
第14
]
4
受注者は、この契約が給付の完了前に解除された場合において、貸与品があるときは、当該貸与品を発注者に返還しなければならない。
この場合において、当該貸与品が受注者の故意又は過失により滅失又は毀損したときは、代品を納め、若しくは原状に復して返還し、又は返還に代えてその損害を賠償しなければならない。
[
第14
]
5
第3項前段及び第4項前段に規定する受注者のとるべき措置の期限、方法等については、この契約の解除が第26、第27又は第34第3項の規定によるときは発注者が定め、第28、第30又は第31の規定によるときは、受注者が発注者の意見を聴いて定めるものとし、第3項後段及び第4項後段に規定する受注者のとるべき措置の期限、方法等については、発注者が受注者の意見を聴いて定めるものとする。
[
第29
] [
第30
] [
第31
]
6
請負の完成後にこの契約が解除された場合は、解除に伴い生じる事項の処理については発注者及び受注者が民法の規定に従って協議して決める。
第34 発注者の損害賠償請求等
1
発注者は、受注者が次の各号のいずれかに該当するときは、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
(1)
完納期限内に給付を完了することができないとき。
(2)
この請負の目的物に契約不適合があるとき。
(3)
第26又は第27の規定により、請負の目的物の給付後にこの契約が解除されたとき。
(4)
前3号に掲げる場合のほか、債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
2
受注者は、次の各号のいずれかに該当するときは、前項の損害賠償に代えて、請負代金額の10分の1に相当する額を違約金として発注者の指定する期間内に支払わなければならない。
(1)
第26又は第27の規定により、請負の目的物の給付前にこの契約が解除されたとき。
(2)
請負の目的物の給付前に、受注者がその債務の履行を拒否し、又は受注者の責めに帰すべき事由によって受注者の債務について履行不能となったとき。
3
次の各号に掲げる者がこの契約を解除した場合は、前項第2号に該当する場合とみなす。
(1)
受注者について破産手続開始の決定があった場合において、破産法(平成16年法律第75号)の規定により選任された破産管財人
(2)
受注者について更生手続開始の決定があった場合において、会社更生法(平成14年法律第154号)の規定により選任された管財人
(3)
受注者について再生手続開始の決定があった場合において、民事再生法(平成11年法律第225号)の規定により選任された再生債務者等
4
第1項各号又は第2項各号に定める場合(前項の規定により第2項第2号に該当する場合とみなされる場合を除く。)がこの契約及び取引上の社会通念に照らして受注者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、第1項及び第2項の規定は適用しない。
5
第1項第1号の場合においては、発注者は、請負代金額から部分引渡しを受けた部分に相応する請負代金額を控除した額につき、遅延日数に応じ、政府契約の支払遅延防止等に関する法律(昭和24年法律第256号)第8条第1項の規定に基づく、政府契約の支払遅延に対する遅延利息の率(以下「遅延利息率」という。)を乗じて計算した額を請求することができるものとする。
6
第2項の場合(第27第9号又は第11号の規定により、この契約が解除された場合を除く。)において、第25の規定により契約保証金の納付が行われているときは、発注者は、当該契約保証金をもって同項の違約金に充当することができる。
第34の2 談合等不正行為があった場合の違約金等
1
受注者は、この契約に関して、次の各号のいずれかに該当するときは、契約金額の10分の1に相当する額を違約金として発注者が指定する期日までに支払わなければならない。
(1)
受注者が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。以下「独占禁止法」という。)第3条又は第19条の規定に違反し、又は受注者が構成員である事業者団体が同法第8条第1号の規定に違反したことにより公正取引委員会が受注者又は受注者が構成員である事業者団体に対して、同法第49条に規定する排除措置命令又は同法第62条第1項に規定する納付命令を行い、当該命令が確定したとき。
ただし、受注者が同法第19条の規定に違反した場合であって当該違反行為が同法第2条第9項の規定に基づく不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)第6項に規定する不当廉売の場合など発注者に金銭的損害が生じない行為として受注者がこれを証明し、その証明を発注者が認めたときは、この限りでない。
(2)
公正取引委員会が、受注者に対して独占禁止法第7条の2第18項又は第21項の規定による課徴金の納付を命じない旨の通知を行ったとき。
(3)
受注者(受注者が法人の場合にあっては、その役員又は使用人)が刑法(明治40法律第45号)第96条の6又は独占禁止法第89条第1項若しくは第95条第1項第1号の規定による刑が確定したとき。
2
受注者は、この契約に関して、次の各号のいずれかに該当するときは、契約金額の10分の1に相当する額のほか、契約金額の100分の5に相当する額を違約金として発注者が指定する期日までに支払わなければならない。
(1)
前項第1号に規定する確定した納付命令における課徴金について、独占禁止法第7条の2第8項又は第9項の規定の適用があるとき。
(2)
前項第1号に規定する確定した納付命令若しくは排除措置命令又は同項第3号に規定する刑に係る確定判決において、受注者が違反行為の首謀者であることが明らかになったとき。
(3)
前項第2号に規定する通知に係る事件において、受注者が違反行為の首謀者であることが明らかになったとき。
3
受注者は、契約の履行を理由として第1項及び第2項の違約金を免れることができない。
4
第1項及び第2項の規定は、発注者に生じた実際の損害の額が違約金の額を超過する場合において、発注者がその超過分の損害につき賠償を請求することを妨げない。
5
受注者はこの契約に関して、第1項又は第2項の各号のいずれかに該当することとなった場合には、速やかに、当該処分等に係る関係書類を発注者に提出しなければならない。
第35 受注者の損害賠償請求等
1
受注者は、発注者が次の各号のいずれかに該当する場合はこれによって生じた損害の賠償を請求することができる。
ただし、当該各号に定める場合がこの契約及び取引上の社会通念に照らして発注者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
(1)
第30又は31の規定によりこの契約が解除されたとき。
(2)
前号に掲げる場合のほか、債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるとき。
2
第22第2項の規定により請負代金の支払が遅れた場合においては、受注者は、未受領金額につき、遅延日数に応じ、遅延利息率を乗じて計算した額の遅延利息の支払を発注者に請求することができる。
第36 契約不適合責任期間等
1
発注者は、請負の目的物に契約不適合があることを知ったときから1年以内にその旨を売主に通知しないときは、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除(以下この条において「請求等」という。)をすることができない。
ただし、受注者が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。
2
前項の通知は、不適合の種類やおおよその範囲を通知する。
3
発注者は、第1項の請求等を行ったときは、当該請求等の根拠となる契約不適合に関し、民法の消滅時効の範囲で、当該請求等以外に必要と認められる請求等をすることができる。
4
前3項の規定は、契約不適合が受注者の故意又は重過失により生じたものであるときには適用しない。この場合において、契約不適合に関する受注者の責任は、民法の定めるところによる。
5
引き渡された請負の目的物の契約不適合が支給材料の性質又は発注者の指図により生じたものであるときは、発注者は、当該契約不適合を理由として請求等をすることができない。
ただし、受注者がその材料又は指図の不適当であることを知りながらこれを通知しなかったときは、この限りでない。
第37 賠償金等の徴収
1
受注者がこの契約に基づく賠償金、損害金又は違約金を発注者の指定する期間内に支払わないときは、発注者は、その支払わない額に発注者の指定する期間を経過した日から請負代金額支払の日まで民法(明治29年法律第89号)第404条に規定する法定利率の割合で計算した利息を付した額と、発注者の支払うべき請負代金額とを相殺し、なお不足があるときは追徴する。
2
前項の追徴をする場合には、発注者は、受注者から遅延日数につき民法(明治29年法律第89号)第404条に規定する法定利率の割合で計算した額の延滞金を徴収する。
第38 適用除外
この契約基準の一部について、これにより難い特別の事情がある場合は、当該部分を除外することができる。
第39 雑則
この契約基準に定めのない事項は、必要に応じて発注者と受注者との間において協議して定める。
附 則
この基準は、平成21年4月20日から実施し、平成21年4月1日から適用する。
附 則(平成25年3月5日基準第2号)
この基準は、平成25年3月5日から実施し、平成24年7月17日から適用する。
附 則(平成27年5月27日基準第4号)
1
この基準は、平成27年5月27日から実施し、平成27年4月1日から適用する。
2
この基準の適用日前に締結した契約については、なお従前の例による。
附 則(令和2年11月4日基準第11号)
この基準は、令和2年11月4日から実施する。